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ソーシャルジャスティス 小児精神科医、社会を診る

ソーシャルジャスティス 小児精神科医、社会を診る

著者名: 内田 舞

評価: ★★★★

こんな人におすすめ

  • 女性、マイノリティ、あるいは障碍者等いわゆる社会的弱者の人権や社会進出・活躍といったテーマ。個人として、あるいは組織として関心がある方はぜひ。

  • そしてそれだけでなく、個が尊重されるアメリカの良いところ、強いところを学べる本だとも思う。

  • 悪い発現の仕方としてSNSでの炎上、誹謗中傷との向き合い方にも触れられている。
    ここでは誰もが社会的弱者になりうる。
    悩んでいる方にとってもヒントが得られそうだ。

感想文

 

Yahoo!ニュースかなにかの記事からこの書籍を知り、何気なく、どちらかというと息抜き半分で読んだ本。
だが、考えさせられることの多い内容だった。

女性の社会進出といえば、日本が大きく遅れている印象でそれは事実でもあろう。しかしアメリカが進んでいてロールモデルになっているかというと、決してそんなことはないということ。
問題視し、試行錯誤している。解決策ではなく、そういうムーブメント自体にヒントがあるのではないか。

それが、個々人が、小さな声であっても発信しているというムーブメント。
社会悪について目と耳をふさぎ、口を閉ざさないということ。
日本人が苦手、苦手という言葉は不適切だと思うが、できていないことではないか。
例えば何十年と変わらないいじめ問題、いじめそのものよりもそれを集団隠蔽しようとする社会的体質ともいえるような課題。
こういったところに現れている。

けど多かれ少なかれ、それはアメリカでも同じだったという。だがアメリカではムーブメントが起こっている。
その要因の中には、彼我の文化的違いに基づくこともあるかもしれないし、試行錯誤の中で得られた変化もあるかもしれない。

もう一つ。少しネタバレだが、「多面性」という言葉がとても印象に残った。
「多様性」というのは個々の違いを認めようということならば、「多面性」とはその個にもいろいろな側面があるよということと理解した。

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