新規事業着工力を高める
著者名: 内田 有希昌
評価: ★★★
こんな人におすすめ
新規事業の企画を任された方。特に経営企画や、若手コンサルタントの方。
(ビジネス書スキの方に読みやすい文体とまとめ方になっている)
※ただそういう方こそ、もっとドロドロっとした本の方が良い気もするなぁ。
ひとまずは、こちらの「新規事業開発マネジメント」の本をお勧めしたい
感想文
天下のボストンコンサルティング代表が書いた書籍にケチをつけるのは、、、匿名だからできることだろう笑
保身を兼ねて先に擁護しておくと、新規事業の成功確率を高める「18の要諦」とあるのはとてもよさそうである。
現在進行形で苦労されている方は、この18項目をチェックシート的に、マネジメントと一緒に振り返ってみるとよいだろう。それだけでも書籍購入の価値はあるのかもしれない。
ただ全体としては、正直しっくりこなかった。
1つは、新規事業の「着工」に重きを置いているからかもしれない。
それは私自身が、自己変革経験を売り物としていた外資系企業、そして新規事業しかないスタートアップ/ベンチャーでの経験が長いからかもしれない。そこでは「着工」、すなわち新規事業のスタート地点での悩みはさほどなかった。
ただ私のバイアスを差し引いても、新規事業の難所が着工にあるという気はしない。
正確に言えば、筆者の言う着工力は、ただ始められればいいというものではない。後続のフェーズも見据えて、適切に開始しなくてはならないという内容だ。
ただ裏を返せば、後続のフェーズに難所があるということでもある。ならば、そこの手触り感がないままに、着工が課題というのは違うんじゃないかなと。
当然、後続フェーズのことも書かれている。なので、中身に不満というよりは、その力点を「着工」においたところに違和感があるという感じ。
ものすごーく失礼な言い方をすれば、「着工」フェーズのスペシャリストである戦略コンサルタントの本という感じが否めず。
新規事業特化のスペシャリストという点では「新規事業開発マネジメント」に軍配が上がるというのが偽らざる感想である。
しっくりこなかったもう一つの理由は、あまり新しい、オリジナルな要素を感じなかったというのもある。
逆に言えば、最初の1冊、まとめの1冊と思えばよいのかも。文書は比較的平易に書かれていました。