「デザイン思考」を超えるデザイン思考
著者名: 濱口 秀司 (著), DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部
評価: ★★★★
こんな人におすすめ
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新規性の高いサービス開発や新規事業に取り組もうとされている方
特にデザイン思考を通じてそれを実践しようとする前に
どちらかというと現場の実践的な内容なので、経営層には『アート思考』をお薦めしたい。
書籍というか、ハーバードビジネスレビューへの寄稿文。短編です。
感想文
デザイン思考に何か違和感というか、圧倒的不足感を感じている。
前にも書いたようにそれ自体は素晴らしく、「論理思考」くらい一般化してもよい思考法と思っているわけだが。
で『アート思考』に腹落ちしたが、この論文はこれはこれでとても納得できた。
アート思考や、あるいは『知識創造企業』はデザイン思考とは違うアプローチでイノベーションをとらえるもの。
こちらはデザイン思考がなんなのかを解説した上で、真正面から否定すべきところは否定し、再定義している。とてもすっきりした。
方法論を示してはいるが、読めば誰でもできるようになるとは思えない。それがまたいい。
本当にクリエイティブな発想力というのは、適性のある人が、著者のような師匠の下で鍛えられて体得していくスキルなのだろう。
あくまでイノベーションを起こす組織、あるいはその構成員に対する方法論であり、企業経営全体を語るものではない。