エクセレント・ホスピタル
著者名: クィント・ステューダー , 鐘江 康一郎 (翻訳)
評価: ★★★★★
こんな人におすすめ
- 業務改善や組織風土改革を手掛けることになった方、あるいは経営コンサルタント
- もちろん病院経営に関わる方
- そして病院経営をサポートすることができる立場にある方すべて
副題にある通り組織・人に関するテーマではあるが、同時に経営そのものでもあると感じる。KAIZENあるいはその派生であるLEANとも通じる。
10年近く前に積ん読してあった本を読んだのだが価格2400円。今アマゾンで見たらびっくりするほど高いんですけど。。。医学書の扱いになってしまったのかな。 Kindleもないので中古本でよいかも。。
感想文
選んで買っているわけではないのだが、経営カテゴリー、人事/コーチングカテゴリーの良著は異口同音に同じことを言っている。
- ぐさりと刺さるミッション・ビジョンやそれにまつわる物語があること。
- ポジティブフィードバック(フィードフォワード)で経営の自分事化を進めていくこと。
ネタバレしない程度に自分なりにまとめるとこの2つかな。 同じことを口々に言う人がいるにもかかわらず、実現できている組織が多いわけではない。つまり実行が難しいようにも見える。
しかしこの本は実行手段まで丁寧に落とし込んでいる。できないのではない、やらないだけだ、と言わんばかりに。
私の経験した組織では、退職者に寄せ書きした色紙を贈ることが多い。自分が書く時にはもちろん様々なエピソードを思い浮かべながら、心を込めて書いている。
しかしこの本を読みながら、我ながらアホだなぁと思った。
「様々なエピソード」の数だけ、感謝を伝える機会があったのだった。
私一人だけではない。20人が寄せ書きしているなら、いったいどれだけの機会を逃していたのだろうか。 まさしく、やらなかっただけだ。
敢えて言えば、何かを成し遂げてから初めて報われる、というのも嫌いではない。現役時代は国民栄誉賞を拒否する孤高の選手も大好きだ。 が、多くの人はそんなに強くないよな。現実に、色紙を贈る人の多くに、もっと一緒に働きたかった人がいるわけで。
以上、ほんの部分的な感想でした。
書籍自体にはもっと包括的にやるべきことが書かれている。 フレームワークもわかりやすい。シンプルだが明日から使える実践的なフォーマットも惜しげもなく掲載されている。
ちなみにバランスとスコアカードに似たフレームワークも出てくるけど、この書籍のほうがはるかに実践的に感じた。(バランスとスコアカード使いこなすの難しすぎる)
やるだけだ。と思わせるところが一番いいな。