光る壁画
著者名: 吉村昭
評価: ★★★★★
こんな人におすすめ
- 医療機器開発に興味のある方 (特にプロジェクトXとかガイアの夜明けとか、そういう番組が好きな人は特に)
↑ 本ブログ全般に言えますが評価は上記の対象者を読者と想定した時の評価です。
感想文
胃カメラは日本人が発明した。それも戦後の焼け野原からの復興期の挑戦。
とは知らなかったので純粋に感動した。
緻密な取材に基づいていて、ほぼドキュメンタリー。あとがきで創作部分を明確にしていますが、開発ストーリーを弄ったわけではなく、人間臭いところを表出化するための演出と感じました。
医療機器に限らないのかもですが、ものづくりの開発ストーリーは本当に面白い。
それ自体がドラマとして完成度が高い。 下町ロケットじゃないが(読んでないけど)、ものづくりを支える町工場がまた面白い。
そもそも大手も何もない時代だから、町工場しかないわけだが。 既製品の、それも畑違いとも思われるような部品の応用。ネタバレだがこんなところに「薄くてピッタリ」のアレを使うのかと。 かと思うと爪に火を点すという言葉がぴったりな職人の腕と努力と根性でできる部材。
ちょっとでも理系の脳みそが自分にあったら、もっと自分事として楽しめるそうだなぁ。