取締役の心得
著者名: 柳楽 仁史 (著)
評価: ★★
こんな人におすすめ
- いわゆるワンマン社長の企業において、経営層に昇進、または一歩手前まで来ている方
創業者など強くて任期も長く続くことが想定される経営者の右腕、左腕になる。そんな前提で書かれているように見受けられる。
上場企業で比較的短い任期でトップが変わる会社、あるいは自分自身もそう長くなく「アガリ」と感じている方にはちょっと違う気がする。
あるいはむしろ自分自身がトップになって会社を変えていきたいと考えている方にもあわない。違和感が生じるかもしれない(違和感を感じるために読むというのはアリかも)。 - ただ「取締役とは?」という書籍や、学びの場は少ない。一般的、普遍的な内容も多いので、その理解のためにサクッと読んでおける本として希少性もある。
感想文
「経営者」というと、狭義には代表取締役か最高経営責任者を指すらしい。というのを知ったのはつい最近。
個人的には経営会議の常任メンバーとして発言を求められるようになったら「経営陣」「経営チームのメンバー」であると思っていたし、少なくとも執行役員になったら「経営者」かなと勝手に思っていた。
もちろん執行役員(≠執行役)はあくまで社員の最上位であって、取締役とは違うのは承知していたが。意識の上では経営陣でありたいと思っていた。
小さい会社で執行役員制度がなく、部長が経営会議メンバーのこともあるだろう。その時点で経営陣のつもりになってもいいんじゃないかなと。
ここでいう経営陣でありその一員である経営者には全社最適が求められると思っている。
経営会議は、管掌部門、担当組織のリーダーが各々の視点で主張し合い、AかBかどちらを取るかを最高経営責任者に決めてもらう場、にしてはいけないんじゃないかなと。
それでもなお、情報の非対称性や、専門性の違いから議論は生まれるし、それはあるべきだと思う。
もっと言えば、経営陣は全員、いつでも最高経営責任者に代わる準備と心構えをもっているほうが良い。
それでもなお、実際には完ぺきな経営者などいなく、サクセッションプランに悩む。そして、お互いの欠点をお互いの長所で補いあう経営チームができていく。それが良いんじゃないかなぁと。
前置きが長くなった。いや前置きしかなくなったが、「取締役」になると急に何かが変わる、「取締役」と「社長(トップ)」の役割分担(ありていに言えばトップに仕えるような考え)、そういったことを前提とする論調には与しがたい。
というのは自分が若輩者だからなのかもしれないな。結局は会社が成長し、自身がそれにやりがいを感じられればいいわけで。。。
ちょっともやもやが残った。
そういえば取締役以降の島耕作はちゃんと読んでいない。読み直すか。