人事/コーチング

嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え

著者名: 岸見 一郎 (著), 古賀 史健 (著)  

評価: ★★★(3.5)

こんな人におすすめ

コーチングを心理学から学びたいが、心理学そのものを勉強するのは大変、と思う人(私)。

ただ心理学にも色々あるようだ。この「アドラー心理学」に沿って自分自身の発想法をしたいと思えばそれはそれでよい。メンバーのコーチングをするのもよいのだろう。
ただ、まずは多面的に学んだ方が良い気がします。

『人生を変える!「コーチング脳」のつくり方』を読み、その原点である「アドラー心理学」に興味をもって手にした本。
この本そのものはコーチングそのもののハウツー本でも解説書でもない。

感想文

『負けるぐらいなら嫌われる』の感想文等でも書いているように「嫌われる」ことを恐れないリーダーシップを学びたいと思っている。
その前提は、企業仲間でいえば”事業の成功”(スポーツなら”勝利”)に共通のゴールがあるということ。
嫌われることを恐れて、遠慮した言動になることで、事業の成功につながらなければみんな後悔する、と思っている。
結論としては本著は、このテーマに対する回答にはまったくなっていなかった。。。

ということで、以下は私の本来の購読目的とは違うが書籍自体の感想。

個人的にはずっと「他人は変えられない。変えられるのは自分だけ」という思考を大事にしているつもり。本著の内容はそれに近いものがあるので、個人的には理解しやすかった。

ただ、よく言う承認欲求を否定したり、その他随所に(我々からすると)行動心理学?の定説・常識を覆してくる。
全部そんな調子なので、フツーの感覚の人はなかなかついていけないだろう。
てか著者やアドラー自身も認めているようで、「常識の否定」「フロイトやユングなどと比べると目立っていない巨匠」「年齢が重なっているほど学ぶ(体得する)のに時間がかかる」といった自己評価が下されている。

言わんとしていることはわかるんだが、これを「心理学」とされると、「心理学とはなんだろう」という疑問になる。
ちゃんと学んでいないので、たぶん私が間違っているのだろうが。不勉強のままに言えば、哲学というのならなんとなくわかる気がする。

あるいは「自己啓発の本」ととらえれば何の違和感もない。こういう心構えで、自分の言動特に対人関係に関わる言動や、他人への感情を見直してみたら、道が開けますよ。ということかと。

なんだかすごい否定的な感想になってしまったが、せっかく本を読むなら、自分の常識が否定される新発見をしたいものだ。
その意味で、とても発見の多い本です。

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