人事/コーチング

みんな違う。それでもチームで仕事を進めるために大切なこと

みんな違う。それでもチームで仕事を進めるために大切なこと

著者名: 岩井俊憲 (著) 

評価: ★★★

こんな人におすすめ

アドラー心理学×リーダーシップのテーマに興味がある方

※例によってプライム会員読み放題の対象になっている

感想文

 

帯についている「アドラー心理学に基づいたちょっぴりドライで優しいリーダー論」という一文で購入。引き続きアドラー心理学の本。

『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の押し』の方でアドラー心理学について学んだものの、2点腹落ちしていなかった。
・これは心理学なのか?
・ピープルマネジメントとしてどう使うのか?

後者については『人生を変える!「コーチング脳」のつくり方』にその回答例があるという理解ではいる。

心理学の一般的定義はまだよくわかっていない。
ただ改めて思うが、アドラー心理学は、自然の法則を解明するものではなく、自己啓発の方法と思う。
ひょっとすると不自然かもしれない、むしろだからこそ自然に流されずに抗うスキル。

『嫌われる勇気~』では基本的には人生を豊かにする、シンプルにする、という個人のありようを語っていると思う。
このアドラー心理学を仕事つまりチームワークにおいてどう使うかを示しているのが本著と解釈した。

以下ネタバレ含む。

チームワークに応用する上で、アドラー心理学の重要なキーワードと思われる「共同体」について掘り下げている。
「共同体」には共通の目的、目標があり(リーダーが設定し)、それゆえ課題は「自分の課題」「他人の課題」に加えて「共通の課題」の3つに分けられるという。

また、ともすると<世間様がどう考えようと関係ない>みたいな思想になりそうなアドラー心理学(という自己啓発)だが、本著ではそうではないことも示している。
同じもの・出来事を見聞・体験した時の見方・とらえ方について、自分が異質でないか?つまり常識から外れていないか、を意識している。
他人は他人だが、同じ共同体の一員として修正すべきところは修正しようという感じか。

またそうなると衆愚に陥りかねない、井の中の蛙軍団になりかねないわけだが、
そうではなく大海を見て修正すべしといっている。特にリーダーの役目だろう。

ということで、アドラー心理学×ピープルマネジメントというお題において、だいぶすっきりした。
ただ意地悪な感じでいえば、上述のような組織論・リーダーシップ論についてその部分だけを取り上げれば、アドラー心理学の特異性というのは強くは感じない。

リーダーシップやピープルマネジメントにおいて<アドラー心理学が決定版>とは感じない。色々なものの考え方を学んだほうがいい。
といまのところは思っている。

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