GREAT BOSS(グレートボス) ―シリコンバレー式ずけずけ言う力
著者名: キム・スコット (著), 関 美和 (翻訳)
評価: ★★★★★
こんな人におすすめ
『嫌われる勇気』等々、変な遠慮をしてしまうマネジメントからの脱却を図るシリーズ。その決定版といえる本に出合えました。
本著では「ずけずけ言う」ことができない人だけでなく、ずけずけ過ぎて失敗する人、逆に要らんおべっかを使って失敗する人といったタイプにも提言がある。
人とのコミュニケーション、特にマネージャとしてメンバーとのコミュニケーションに悩んでいる方へ。
シリコンバレー式とあるが、あくまで著者がシリコンバレーで学んだというだけで、むしろ日本企業において学びの多い内容ではないか。
感想文
他人の懐に「ずけずけ」と入り、不快にさせないばかりか一瞬で仲良くなる人がいる。時には言葉で土足で入り込むかと思いきや、そういう人は黙っていてもなぜか相手が話し出す。このご時世に面接で聞いたらアウトだろうと思うようなプライベートな内容(親や子供の話や、時には営業機密情報まで)を相手が勝手にしゃべっている。。。
こういうのがものすごく苦手なだけに、本当にすごい才能だと思う。とても真似できない。
だが、マネジメントとして、才能はなくとも仕事として「ずけずけ」しないといけない時がある。「ずけずけ」に加えるなら「ずばり」だ。
ここをあいまいにフィードバックしてしまったがために問題が大きく、長期化してしまう痛い目に何度もあっている。
また、メンバーの間違いをその場で「現行犯逮捕」することも重要。学生時代にアルバイトしていた銀座のクラブのママさんは徹底していた。
できれば裏の事務スペースですぐに、最悪でもお店終了後に本人と面と向かって会話し、翌日には絶対に持ち越さない。
これは才能ではなくスキルであり、苦手ではあっても訓練で身に付けられるのではないかと信じている。
人は叱られて育つのか、褒めて伸びるのか。フィードバックよりフィードフォワード。ここは結論は出ているように思う。
そのことと、「ずけずけ」「ずばり」、可能ならば「現行犯逮捕」で指摘することは矛盾しないとも思う。
本著後半はとても実用的なアドバイスが満載である。自分自身が取るべき行動はもとより、ずけずけ言えるチームの風土造りにも話が及ぶ。
これは何度か読み返さないといけない。